キス×キス1〜双子のあんたと甘い日々〜



って、聞かなくても僕は分かった。



「翔夜くん……「知ってます」



さっきの掲示板、あんな大きい字で書かれていたら、誰だって目に入るよ。




「知ってるって……」



「僕と捺夜が載っている紙の事でしょ?」



「いつ、見たの!!?」



「さっき、幸くんとここに来る途中」



それはそれは、
はっきりと見えましたよ?


だって、白い紙に真っ赤な字で書いてあったんだもん。




「僕のせいで、捺夜が入院したって書いてあるやつでしょ?」



涙がこみあがって来たんだ。



あんなデタラメ……。



誰が書いたの!!!!?



って、今にも怒りたいキモチでいっぱいで………。




でも、なんだかんだ言ってそれは間違ってる事じゃない。



実際、僕があの時最後まで捺夜の話を聞いてたら……


あの時あの場所から逃げなかったら……。




捺夜はあんなにボロボロにならなくて


記憶交換されずにすんで



僕らは今頃、幸せな時間を過ごしていたのだろうから。




だから。





全て、僕が悪いんだ。
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