キス×キス1〜双子のあんたと甘い日々〜



「なんででもだ。今の班がなれていていぃだろ」



「いやぁ!!!!」



「捺夜様ぁあ!!!!」



女の子達は今度はギャーギャーとうめき始めた。




んじゃあ、僕。



よく考えたら、捺夜と同じ班なんじゃん。




―――――ガラガラっ。




そう思っていたら、後ろの教室のドアが開く音がして、クラスメート全員を教室のドアに注目させる。




……………ぇ?




「キャァーーー!!!!!」



「捺夜様ぁーーー!!!!」



「お久しぶりですぅ!!!!」


「会いたかったぁーーー!!!!!!」




女の子達の叫び声がちっともやまない。



でも、それは無理ないって思ったよ。




「捺夜………」



捺夜が、




まだ傷が少し残ってる捺夜がいたから。




「………」



捺夜は暗い顔をして、ゆっくりゆっくり歩いて僕の隣の席に着いた。




捺夜だ………。



ホントの捺夜だ………。




退院できたんだ……




捺夜と会うのも久しぶり。


この一週間、あまりのショックに僕は捺夜のお見舞いに行かなかった。




行ったら。



キモチが揺らぐだろうから


捺夜から離れたくなくなっちゃうから。




だから。




捺夜と会うのは久しぶり。
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