キス×キス1〜双子のあんたと甘い日々〜



「僕……捺夜を探してくるっ!!!!」



「ぇ!!?」



「おぃ、翔ちゃんっ!!!!」



僕は二人の声なんか耳に入れず、ただひたすら走ったんだ。



チャイムの音が鳴って、皆は教室に入っていってるけど、僕は無視してスピードを上げていった。



今の僕には捺夜しかいなかった。



授業の事も、成績の事も、僕の頭には一文字も入ってなくって、



ただ、捺夜のあの冷たい目と、トゲのような言葉しか浮かんでこなかったんだ。



もちろん、



万優架ちゃんは……。




頭になかった。





最悪だよね?



彼女より、お姉ちゃんの事を考えてしまうだなんて。



でも、どこをどう考えても。




僕には捺夜しかない。




捺夜………。
< 165 / 220 >

この作品をシェア

pagetop