キス×キス1〜双子のあんたと甘い日々〜
「僕……捺夜を探してくるっ!!!!」
「ぇ!!?」
「おぃ、翔ちゃんっ!!!!」
僕は二人の声なんか耳に入れず、ただひたすら走ったんだ。
チャイムの音が鳴って、皆は教室に入っていってるけど、僕は無視してスピードを上げていった。
今の僕には捺夜しかいなかった。
授業の事も、成績の事も、僕の頭には一文字も入ってなくって、
ただ、捺夜のあの冷たい目と、トゲのような言葉しか浮かんでこなかったんだ。
もちろん、
万優架ちゃんは……。
頭になかった。
最悪だよね?
彼女より、お姉ちゃんの事を考えてしまうだなんて。
でも、どこをどう考えても。
僕には捺夜しかない。
捺夜………。