キス×キス1〜双子のあんたと甘い日々〜



僕は階段を駆け登って、屋上に出た。



――――――バンっ



古いさびたドアをおもいっきり押して開けたら、今までとは違った



青々とした、気持ちいい空間が広がっていた。



すると、奥の方で男子がねっころがっていた。



茶色の髪………


あの鼻の高さ………




「捺夜……?」




男子は組んだ腕に頭をのせたまま、こっちを向いた。



「…………」



捺夜は目をビックリしたように大きくして、こっちを見ていた。




「なんだよ、てめぇ。ストーカーか?」



「な、ち、違うよっ!!!」



「違うなら、うせろ。目障りなんだよ」




やっぱり、なんかおかしい………。




「捺夜、なんかあったの?」



「………」



「僕がいない間、何があったの……?」




「………」




「ねぇ、捺…「黙れっ!!!!!!!」




捺夜は起き上がって、僕に鋭い目を向ける。




「捺夜。隠さないで」



「…………」



「お願いっ……一人だけで傷つかないでっ……」




僕は、涙を流した……。



もう、捺夜が苦しむのはあの時だけで十分だよ……。



「………しらねぇよ」



ぇ?



捺夜はいつの間にか僕の目の前にいて、僕の髪を手で触っていた。




―――――ドサっ




僕は、捺夜に押し倒された。




え………?



「しらねぇ……からな?」



捺夜は、僕の首筋を





ゆっくりと舌で、




舐め始めた。
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