キス×キス1〜双子のあんたと甘い日々〜
「やだねっ!!!!翔夜がエメルに入るなら、ウチはやめる!!!!!」
「だから、落ち着けって!!!!!!
なんで、そこまでして翔夜を嫌うんだよっ」
「アイツが嫌いだから。」
捺夜はいつもの真顔で、
迷いもせず、即答した。
それがまた、僕の胸にグサリときて、涙を作らせる。
「だいいち、アイツ泣き虫だし、弱っちぃし、単純で、女っぽいからエメルなんて似合わねぇんだよっ」
「似合わなくて!!!」
いつの間にか僕の口は全てを遮って、
いつの間にか全てのモノに注目されていた。
「泣き虫で、弱くて、単純で、女っぽくて……」
「翔夜………」
「悪かったね?」
周りがざわつき始めた。
でも、そんなの知らない。
「翔ちゃん……」
全てが、悲しくて
全てが、複雑で
僕の友達の涙も
出てくる事は、
なかったんだ。