キス×キス1〜双子のあんたと甘い日々〜
僕は捺夜に抱きしめられている。
それが例え家族愛でも嬉しい。
捺夜が、僕に心を開いてくれたみたいで。
家族としてでも、好きだって言われている気がして。
ホントに嬉しかった。
「捺夜……?」
僕の後ろから声が聞こえた。この声………知ってる。
「遼………」
捺夜が小さく口を開けて呟いた。僕も捺夜の言葉に後ろを振り向いた。
「なにやってんの?翔夜……?」
「は、遼……」
最悪な三角関係……。
最悪なトライアングルが
「二人して……なにやってんだよっ」
完成した。
遼は少し、イャかなりのキレようで僕らを見ていた。
「捺夜、捺夜は俺の彼女だろ?」
遼は握り拳を震えるまで強く握り、低いトーンを作って怖いオーラを出していた。
「遼、誤解すんな。これは家族愛だ」
「家族…愛?」
「ホントの彼氏はあんただよ」
捺夜はそう言って僕の体を離す。
「じゃあ、俺が捺夜のホントの彼氏って証拠みせろよ」
え?
「ここで……翔夜の前で俺とキスしろよ」
遼は、そう言った。