キス×キス1〜双子のあんたと甘い日々〜



シーンとした静かな空気もカルボナーラと共になくなった頃。



「捺夜………」




遼がやっと、薄くて綺麗なピンク色をした唇を開いた。



「ん?」



「お前はさ……大切な人について考えた事はあるか?」



へ?



「大切な……人?」




「俺さ、妹がいたんだ」




遼に妹?!



初耳だなぁ。




「名前は春奈。
すんごい素直で可愛くて、お茶目な性格で、俺の自慢の妹だった。


だから春奈はめちゃくちゃモテたんだ。


親友からも男子からも先生からも、もちろん。家族みんなから


春奈は人気者だった


でも、そんな優しい人達がいる半面、


春奈の事を気にくわないと思っている奴もたくさんいた


春奈は影でイジメにあってたんだ。


でも春奈は、イジメられている奴らに殴られた所を
野球ボールが偶然ぶつかったのとかごまかして


ビリビリに破られた教科書を夜中テープで一生懸命直してたりして……


全部一人で考えて
一人で全部解決していく奴だった。」
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