キス×キス1〜双子のあんたと甘い日々〜
「春奈は俺の前では絶対泣いたりしなかった。
喧嘩しても、何をしてても必ず俺にキモチよくなるような綺麗な笑顔を見せてたんだ。
だから、俺は安心していたんだ。
春奈は毎日幸せな時間を過ごせてるって。
春奈は隠し事がめちゃくちゃうまいから、俺は春奈の裏の思い、
本当の思いを分かっていなかったんだ
そんで、俺の誕生日の1月26日に……
春奈は、イジメられた奴らに階段から突き落とされて………死んだ」
嘘……。
「俺は絶対許せなかった………春奈をイジメてた奴らを。もちろん今でも許す気なんか、さらさらない
でも………一番、
一番許せなかったのは
なんだかんだ言って
自分だった」
遼は、透き通ったキラキラした涙を静かに床に落とす。
「俺が、始めから気づいていればって
なんで気づいいてやれなかったのかって……」
「遼………」
「後で、俺かなり後悔した……」
「………そっか」
「捺夜」
遼は、涙をジャンバーの袖で拭い、ウチを真剣な眼差しで見つめてきた。