キス×キス1〜双子のあんたと甘い日々〜
「そんじゃあ、20分時間をやるから自分の希望する種目の下に自分の名前を書いていけーっ」
先生はそう言って、用事があるのか教室から出ていった。
先生がいなくなった途端、捺夜の席にたくさんの人が磁石にくっつけられるような勢いで集まってきた。
「捺夜様ぁーー!!!」
「捺夜様はどの競技にするんですかっ!!?」
「捺夜先輩!!!!!」
たくさんの声が混ざってものすごい音量になって隣にいる僕の耳に襲いかかる。
うるさいよぉ……。
「大丈夫?翔夜くん」
「へ?」
僕は耳を手で塞いで、机に顔を伏せて泣きそうに鳴っていたら、万優架が僕の前にいた。
「万優架っ……!!!!」
まるで砂漠で今にもダメになりそうな時にオアシスを見つけた人みたいに僕は万優架の顔を見てほっとした。
この子がさっき言ってた僕の幼なじみの桐橋万優架(キリハシマユカ)。
面倒見がよくて、すっごく綺麗な子で僕をいつも助けてくれるんだ。