キス×キス1〜双子のあんたと甘い日々〜
捺夜は目を大きく見開いて口を閉じた。
「捺夜に…知られたら……イャだったんだもん。知られたら、また捺夜が離れていっちゃうんじゃないかって………怖かったんだもん」
僕の目から生まれた一粒の小さな涙は頬を伝った後、木でできた床に落ちていった。
「ぅっ……ヒック…」
何回も何回も拭いたって涙は止まる事なく、溢れる。
「………」
捺夜は黙ったまま、教室から出ていっちゃった。
ほら、
捺夜
絶望して出てっちゃった。
「翔夜くん、大丈夫?」
今の一部始終を見ていた万優架ちゃんが話かけてきた。
万優架ちゃんは優しく僕に話しかけながら、僕の背中をさすってくれた。
「翔夜くん……話があるの」
僕は万優架ちゃんにそう言われ、万優架ちゃんについて行った。