それぞれのバレンタイン
(蓮side)

『楽しかったぁ~!バレンタインライブ!』

「ああ。盛り上がったな。そうそう、碧が彼女連れてきてるらしいから、行くか?」

『行く行く!あの碧だよ?楽しみ!』

私達以外には基本無愛想で滅多に笑わない碧は、彼女には甘いのかなぁ。

彼女なんて初めてだし。

『碧~!ハッピーバレンタイン!』

チョコを渡すと、めんどくさそうに隣にいる可愛くてちっちゃい女の子に渡す。

「彗食べて。」

「えっ、でも…。」

遠慮してる?

悪いと思ってるのかな?

『あっ、彼女さんと食べてもらおうと思って渡したの。はじめまして。碧の幼なじみの相馬蓮です!こっちも幼なじみの皇桐十です。』

「はじめまして。」

ニッコリ笑って挨拶する桐。

「あっ、高遠彗です。はじめまして。」

「彗、他のヤツ見すぎ。こっちみて。」

グイッと後ろに引っ張られて、彗ちゃんは碧の腕の中。

真っ赤っかで可愛い!

『碧が甘いっ!面白い。でも、良かった。』

「ああ。」

感情が彗ちゃんには素直に出せてる。

わかりにくいけど、碧がきちんと碧で居られる女の子ができてよかった。

一生独身になるかもなんて思ってたから。

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