きみ以外愛せない
幼なじみなんだし。
楓はいつもその言葉で
済まそうとする。
「ダメだ。分かったか?
じゃ、俺教室ここだからまたな。」
「うん…じゃ、またね…」
力ない声で言った後、
トボトボと歩き隣の教室に
入っていく楓。
……あー…かわい……
…!っくねぇ…。
昔から楓は平気で
小っ恥ずかしい事を
口にだす…。
俺が散々そんな事を言うなって
言ってきたからか中学の時みたいに
『好き。』とか
抱きついてきたりは
しなくなった。
楓の『好き』は
俺とは違う『好き』って
わかってるんだ…
けど面と向かって『好き』って
言われたら……
どうにかなっちまいそうになる。
だから言わせないようにするしかない。