懐恋。

なんで私はお姫様抱っこされてるの！？もう頭の中グチャグチャだよ。私別に歩けるのに。でも先生ったら涼しい顔で歩いてるんだもん。目が合った瞬間だって私は慌てて目を逸らしてなんでか顔がほんのり赤くなったのを、隠すように慌てて両頬を手のひらで包み込んだのに先生は澄ました顔してるし。とゆーか先生が私の体に仕方ない状況とはいえ触れてるし。わ、触れてるって思った瞬間心臓がバクバクしてきた！

「すんません。誰か居ますか？」

私の心情は穏やかではなく色々考えてる間にいつの間にか保健室に着いており、私は先生の腕の中から解放された。

「あれ？誰も居ない。ちょっくら職員室見てくるからあっこの椅子に座って待ってな。」

そう言って保健室から先生が出て行ったのを見計らって、私はゆっくり息を吐き出した。
もうなんでこんなに心臓バクバクいってるの？先生は倒れた私を助けるために抱き抱えてここまで運んでくれただけ。って自分に何回も何回も言い聞かせる。
でも先生のまつ毛長かったな。先生のほっぺたやっぱりふくふくしてたな。やっぱり先生はアウトドアなんだ。決して軽くない私の体重を顔色一つ変えずにここまで運んでくれたんだもん。腕も細いわりにガッチリ筋肉は付いてたな。