懐恋。

やっぱりな。明音は俺の事幼なじみとしか見てないって思ってたけど、本当にそんな風にしか見てなかったなんて…俺は出会った時から明音が好きだ。

保育園の入園式で俺の母ちゃんと明音の母ちゃんが仲良くなった事をきっかけに、お互いの家を行き来し始めたので自然と仲良くなった。初めてクラスで見た時、なんだこのちっこい奴はって思ったのを今でもぼんやり覚えてる。色白で、でも頬はいつもほんのり紅くて。色白を際立たせるように黒い髪がすごく綺麗で。幼心に恋が芽生えた。こいつは俺が守っていかないとと使命感も感じた。

俺と打ち解けてからは、いつもどこ行くのも俺の後を付けてくる。クラスでも家でもそんな明音が可愛くて仕方なかった。小学校に上がってからはそんな明音に恋心を抱き始める男子も出て来たりして、俺は幼なじみの特権としていつも明音の隣をキープしていた。常に隣に居る俺に諦めていった男も数知れず。そんな事で明音を守っていた。だけど明音は俺の気持ちなんて気付いてなくて、何も知らないような屈託ない笑顔を常に浮かべているだけ。それでも俺は、明音の笑顔を守れるならそれでいいと思っていた。

だけど俺という男を見て欲しくて何度も何回も言うのだけれど明音はいつも軽くあしらう。