懐恋。
「安村さんって俺の事苦手?」

えっ?と思って顔を上げると

「やっと目が合った。俺と2人だとなかなか喋ってくれないし、こうやって目も合わせてくれないから苦手なのかなって思ってさ。」

気まずそうに手をもじもじとさせてる桑田君を見て不安にさせていたんだなと気付く。

「あ、あの違うの!苦手なんかじゃなくて、上手く出来ないって言うか…桑田君と居ると緊張しちゃって、上手くお話出来なくて…目が合うとドキドキしちゃうし…」

ってあれ?私余計なことまで話してないかな…?

「そっか。緊張してただけか。良かった、俺嫌われてるかと思った。」

安心したように笑ってくれる桑田君は、本当に安心しあような顔で私を見つめてくる。

「嫌いなんておもってないよ!!むしろ好きだよ。ってあっ!今のは無しで…」

思わず口走ってしまった事を慌てて訂正するも、頬や耳が赤くなってる私を見つめる桑田君も、見る見るうちに赤くなっていく。

「あ、っと安村さんに先に言われちゃったけど言い直させて?まだ数回しか会ったことないし、俺の事全然知らないだろうけど、安村さんが一条さんや本田さんを優しく見守る感じや、笑顔が素敵なとこに俺は惚れたから良ければ付き合ってくれませんか?」

真っ直ぐ私を見つめて真剣な目で告白してくれる桑田君に

「私もバスケを頑張っていたり、妹さんを大事にしてたり、笑顔が素敵なのは知ってるのでこちらこそよろしくお願いします。」

とちゃんと目を見て返事をした。
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