懐恋。
「あー!どうしよう!!もうダメだ…」

「あんたうるさい。」

さっちゃんったら相変わらず厳しい。

「補習なの?」

わー。梨奈ちゃんったらストレート。

遊園地のお出掛けも終わって、私なりにテスト勉強に一生懸命取り込んだのに、理科と数学と英語が赤点で返ってきてしまって自己嫌悪に陥ってる隣では、澄ました顔の2人に突っ込まれる始末。

「数学はわざとなの?本気なの?」

「さっちゃん…本気です…本気で取り込んだところ赤点です…」

「でも先生の補習なら良かったね。」

フォローのつもりで悪気ない顔で言う梨奈ちゃんだけど、全然良くないよ。だってこの補習のせいで部活なくなっちゃうし、二人っきりで過ごす放課後と皆で過ごす放課後は違うもん…それに先生の教科だからこそ赤点なんて取りたくなかったのに、なんで28点なんてギリギリの点数取っちゃったんだろう…。

「明音、まぁ頑張んな。補習しても分かんなかったら助けてあげる。」

さっちゃんは勉強して私より頭がいいからちゃんと教えて貰えるんだけど、梨奈ちゃんの場合は授業聞いて教科書一回読めば覚えちゃうタイプの人だから勉強した事はないんだって。だから

「私は教えるの苦手だから対策プリントやノート貸すから頑張ろ?」

って言ってくれるから頑張ろ!先生に迷惑は掛けれないし。
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