懐恋。
「先生と一緒にやれる競技ないかな?」

出たくなさ過ぎてそんなことをポツリと言えば

「そんな事あるわけないでしょ。ちゃんと決めないと余りものになるよ。」

そんなこと言われたって、先生の前で失態したくないし、かといって自信ある競技なんて思いつかないや。

「梨奈ちゃんは何出るの?」

「んー、リレー系以外だったらなんでもいいかな。あ、みんなでやる競技は?綱引きとか玉入れとかなら明音だけじゃないから大丈夫じゃない?」

お!梨奈ちゃん、あなたはすごくいいことを言いました。

「そうする!玉入れにする!ありがとう!」

梨奈ちゃんの手を取ってブンブン振れば

「明音大袈裟だよ、でも解決してよかったね!」

綺麗な笑顔でそんなことを言っちゃう。

「じゃあ、それぞれ出たい種目に名前書いていけよー。」

先生はこういう行事が好きなのかな?心なしかなんか楽しそうにしてる。その証拠にまだ一回もあくびしてない。あ、目が合ったなんて思った時ににこっと笑ってくる先生。やっぱり楽しそうにしてる。なんか可愛いな。

「よし、じゃあ調整していくからちょっと待っとけよ。」

黒板に向かいながら人数が多いところや、逆に少ないところをまとめてるけどかすかに鼻歌を歌いながら作業してる。
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