懐恋。

んー。どーすっかな。俺の責任だもんな…この目の前にいる一条ちゃん倒させちまったのは俺のせいだよな…。

俺は特にやりたい事があるわけでもなかったから、とりあえずといった感じで受けてみた教師試験がなんでか合格しちまって、今は数学教師としてやってるわけだけど別に後悔はしてないし、これはこれで色んな人と関われるから楽しい。ただ縛られたり決まった行動を取りたくないから、数学教師のくせに楽なジャージで出勤してるし、入学式だからってかたっくるしいこともやりたくないから俺も久しぶりにやりたくてドッヂボールやってたら一条ちゃんが倒れちまった。さっきから聞いてんのに頬を赤くして首を横にフリフリ答えるだけだけだし。本当に大丈夫なのか？

「本当に大丈夫なのか？」

「はい。大丈夫です。私がボーッとしてただけですし…」

「んはは、一条ちゃんよくボーッとしてるよな。」

「え？なんでですか！？」

「教室に居る時ボーッと黒板見てるだろ？先生の話聞いてんのかなーって思って見てたら本田さんに怒られてばっかで話聞いてねーじゃんって思って笑っちった。」

「先生全部見てたんですか？」

「そりゃ見るでしょ。だって担任ですから。まぁ大丈夫そうだしグランドに戻るか。鼻血も止まってるし。」

「あ、それ言わないでください！！！」