懐恋。
体育祭が終わって、私たちのクラスは2位だったが打ち上げの為に日曜日なのに校庭に皆で集まってる。

「明音惜しかったね。」

「でもさっちゃんと梨奈ちゃんはカッコよかった!!」

「ありがとう。久しぶりに全力になったかも!」

そんな事を話してるうちに先生がダンボールを抱えながらやって来て、

「んじゃお疲れ様会やんぞ。飲み物はそこのクーラーボックスに入ってるから。食料はこのダンボールの中。皆焼いて食え〜」

ハニカミながら言う先生に、皆も笑顔でおー!なんて答えながらバーベキューが始まった。各自由に好きなものを焼いたり、写真を撮ったりとそれぞれ楽しんでるのを見てる先生の顔が微笑ましい。そんな中

「先生って彼女とか居るの?」

とクラスの女子が聞き出した。私は食べるのをやめて耳を傾ける。そんな私をじっと見つめるさっちゃんと梨奈ちゃん。

「いやー?居ねーぞ。」

「じゃあさ、奥さんとかは?意外に居たりしてー。」

「居ねーよ。俺に女は居ません。」

あ、居ないんだ。良かったって先生の方を見たら、私と先生の視線がぶつかり合った。

「ふーん。モテないの?好きな子とかは?」

「お前らいい加減うっせー。でもこれは答えてやる。好きな人は居る。って事でこの話はおしまい。」

えー!ってブーイングが出る中、私の心臓はざわつく。先生、好きな人居るんですか…?
< 122 / 139 >

この作品をシェア

pagetop