懐恋。
そうかな?そうなのかな?先生はそういう考えで動いてるのかな?

「明音は先生の連絡先知ってるけど、私や沙月は知らないよ?だからそこは多少なりとも好意があると思うよ?」

確かにそうだ。多分このクラスで先生の連絡先を知ってるのは私だけなはず。

「それにさ、迂闊に生徒を家に上げたり、連絡先交換なんてしないでしょ。だってバレたら退職されちゃうよ。だからじゃない?近すぎても学校側にバレちゃう危険があるし、突き放しちゃうと先生は寂しいんじゃないかな?微妙な距離感を保って明音の事を大事にしてるんじゃない?先生だけじゃなくてあんたもバレたら転校されちゃうよ。」

あ、そっか。先生だけや私だけじゃなくて、お互いの事を考えてお互いの距離を保ってるんだ。

「じゃあ、私はこのまま先生の事を好きでいていいのかな?」

「それは私や梨奈が決める事じゃないよ?他の誰でもないあんたが。あんた自信が決めること。周りにどうこう言われたって好きなら好きでいいと思う。嫌いになったらなったで先生と生徒になるだけだよ。」

さっちゃんの言葉は私の心にスゥーっと入ってきた。そうだよね、恋なんて周りが決めることじゃないんだ。私自身の気持ちが大事で、自分で決めることなんだ。
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