懐恋。
ホームルームが終わって、その後からは普通に授業が始まった。って事は先生とは数学の授業でしか会えなくなっちゃう.って私ったら何考えてるの?先生に会えなくなるってなに?先生は担任の先生なんだもん。別に会えなくてもいいじゃない。

「一条さん…一条さん!」

「っは、はい!」

「ここの意味は分かりますか?と聞いてるんです。」

「あっ…えっと…分かりません…。」

「分からないなら分からないでちゃんと話を聞きなさい!」

「すみません…」

今は古文の授業中で、先生の事を考えていたら怒られちゃった…隣りのさっちゃんと前の席の梨奈ちゃんからクスクスと笑い声が聞こえてるくし、もう最悪だ!古文の先生からはさっきから厳しい視線が飛んでくるし、とりあえずこの授業だけは真剣に聞こうと黒板に向き合った。

「で、明音はさっき何ボケーっとしてたの?」

「あの先生ずっと明音の事睨んでたよ。」

授業が終わった途端に2人から質問攻めされて、うまく誤魔化せる理由がないかと考えてると

「んー、1年B組一条明音さん、今から職員室に来てください。」

っと校内放送が流れたと同時に先生の声だとまた胸がドキドキ騒ぎ出す。

「あんた昼休みに呼び出しって…まぁ行ってらっしゃい。」

「帰ってきたら怒られた内容教えてね?」

そう言って2人はそそくさと弁当を片手に私の元から離れていった。
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