懐恋。
職員室に向かう最中、私は何かしでかしたのだろうかと考えれば考えるほど、足取りが重くなってくる。んー、さっきの古文の先生に怒られたことかな…?でもそんなついさっきの事を先生が知ってるのかな?

「ん、なしてんの?こんな中途半端なとこで立ち止まって。」

「わっ!先生!ビックリした!」

「俺は職員室に来てって言ったけど、廊下で立ち止まれなんて言ってません。」

「あっ、ごめんなさ…」

「謝んなくてもいいから。とりあえず指導室行くべ?」

謝る途中で先生に遮られ、そのまま指導室へと足を運んだ。

「んじゃ、とりあえずここ座って?」

「あの、私なんかしましたか?」

「なんでよ。」

「職員室に呼び出されたと思ったら指導室だったから…」

「あー…一条ちゃんなら二日目で指導室来いって言ってもわかんねーと思って、とりあえず職員室に呼び出してみた。」

「あっ、お気遣いありがとうございます。それでどうされましたか?」

「あー…一条ちゃんって入りてー部活とかあんの?」

「部活ですか?」

「そ。俺顧問しないといけねーんだけど、その参考に。」

「えっと…用ってそれですか?」

「うん。で、なんかある?」

「あの、なんで私に聞くんですか?」

「一条ちゃんと一緒の部活だと退屈しなくていっかなーって。」
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