懐恋。
慰められて、そんな2人が温かくて、この先生に想う気持ちは諦めなくていいんだと思えて、さっきまで泣き顔だった私は心から笑えた。

「明音、この先何人と出会うかなんて分からないけど先生を好きになった事は素敵なことだと思うし、だから無理しない程度に頑張るんだよ?叶わないなんて決まったわけでもないでしょ?」

「うん、ありがとうさっちゃん。私頑張るよ!」

「あ、そういえば先生のどこが好きなの?」

「梨奈ちゃん直球過ぎる!!でも、フワフワしてるとこかな?温かいところ!」

「え、私には常に眠そうな人としか見えないんだけど。」

「沙月…でもそれが恋ってもんでしょ?他人から見たら分かんないけど自分から見たら素敵に見えるでしょ?」

「先生髪の毛フワフワしてるよ?眠そうな目してるけどあれは本当に眠いんだと思う!よくあくびしてるし。でも綺麗な目してるよ?あと手の温もりも温かいし、意外に力持ちだし、やる気なさそうに見えてでもちゃんとやってくれるとこ!」

「ふーん。手の温もりが温かいってなに?何でそんな事知ってるの?手でも握ったわけ?」

あ、口が滑っちゃった!って気付くの時既に遅し。さっちゃんから鋭い視線が送られてくる。
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