懐恋。
「あ、あのね…ドッヂボールした時先生に保健室連れてってもらった時に…その、先生に頭ポンってされて温かいなって思ったの…。」

こういうことを自分から言うのは照れてしまって、どうもしどろもどろになっちゃう。なんだか2人だけの秘密をコッソリ言うみたいで照れちゃう。

「ふーん?それは良かったね。」

「うん。先生の気持ち分からなくもない。今の明音見てたらポンポンってよりヨシヨシしたくなる!」

「え!梨奈ちゃん何言ってるの!?」

「あー、なんかそれは分かるわ。この顔見たらね?」

「んへっ!?さっちゃんまで!さっきから二人して何言ってるの!?」

わーわー騒ぐ私を2人は笑って見てるだけで、なんかすっごく恥ずかしいというかからかわれてるような気がする…。でも、こんな2人に支えられて先生を好きって事に気付いて、私の恋はここからスタートするんだ。
正直恋愛なんて初めてでどうすればいいか分からないし、ましてや大人の男性でしかも学校の先生。前途多難な気もするけど、それでもこの好きになった気持ちを無駄にならないようにちょっとずつ進展すればいいなーなんて思いながら私の高校生の幕開け。なんてそんなオーバーな話じゃないけど素敵な友達に、先生に、高校生を楽しもうって思った。
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