懐恋。
「本当。見てるだけで楽しそうにしてるよね。」

梨奈ちゃんも後ろを振り返ってきて、さっちゃんに便乗するように喋りかけてくる。

「2人してからかってこないでよ…。恥ずかしいな。」

「で、あんたは部活やるの?」

「さっちゃんはテニス部?」

「うん。一応ね?梨奈は?」

「私はパスー。ずっと帰宅部だったし、部活動って正直めんどくさい。で、明音は?何か入るの?」

「うん、写真部に入ろうかなって思ってるよ。」

「へー。写真部なんてなんでまた急に?あんた中学の時は家庭科部だったよね?」

「あ、あのね…昨日お昼休み先生に呼び出しされたでしょ?その時にね?何部に入るのって聞かれて、まだその時には考えてなかったんだけど、先生が顧問やってくれるって。」

「え、昨日の呼び出し内容ってその話だったわけ?」

「うん。その事について話しただけだよ?」

「ちょっと梨奈、これってもしや?」

「脈アリな感じ?」

2人してニヤニヤ始めちゃったけど何が楽しいんだろう?脈アリって何かな?

チャイムが鳴って先生はムクっと起き上がった後、眠そうに目を擦りながら、だるそうにペタペタと履いてるスリッパの音を立てながら、教室から出て行った。そのまま私達はジャージ姿に着替えて体育館へと向かった。
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