懐恋。
「こいつ学校でも明音今頃何してんのかなとか、変な男に騙されてないかなとかそんなことばっかり言ってるぞ。」

私のいないところで話している蓮って…と思うのと同時に、知らない子の話を聞いてる桑田君が可哀そうになってきちゃった。

「で、明音彼氏いないよな！？」

グイっと身を乗り出して聞いてくる連に後ずさりしつつ出来てないと伝えると、安堵したようなため息が聞こえてきた。

「桑田君は彼女とか居るの？」

私が聞こうか迷っていたところにさっちゃんが聞いてくれたことに耳を傾けていると

「俺？居ないよ。本田さんだっけ？居るの？」

「私は居るよ。」

と答えているさっちゃんと目を見合わせた。梨奈ちゃんはやっぱり恥ずかしいのかずっとマグカップを見てるだけだ。

「こいつこんなんでも中学から彼氏居るぞ。何？興味でもあったのか？」

「いや、聞かれたから流れで聞いただけ。えっと安村さんは？居たりするの？」

お、桑田君から梨奈ちゃんに話しかけてることに思わず笑みがこぼれる。

「えっと…居ないです…」

思ったよりも声が出にことに自分でもびっくりしたのか、慌てたように飲み物を飲み干した。

「ちょっと飲み物とってくるね。」

と席を立った梨奈ちゃんに私も。とさっちゃんも追いかけていった。
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