懐恋。
「一条さん、ちょっといい?」

急に話しかけられてえ?と聞き返すと

「変な事言うけど俺、安村さんに一目惚れしたんだけど。」

「お!?お前あーいう子がタイプなのか。いいじゃん。まあ俺は明音が一番だけどな。」

蓮の言ってることなんて耳に入ってこなくて、桑田君が言った言葉がグルグル頭の中で巡っている。桑田君が梨奈ちゃんに一目惚れって!それって両思いだし、2人とも一目惚れって素敵!

「ただいまー。」

素敵って考えてたら飲み物を入れ終えた2人が戻ってきた。

「俺さ、明音とデートしたいんだけど2人だと出かけてくれなくてさ。本田は彼氏いるから桑田と安村一緒に行ってくれない?」

前半はどうでもいいとして、蓮がナイスアシストしてくれたことにコクコクと頷いてみる。さっちゃんも空気を読んだのか「梨奈行ってあげれば?」と後押ししてくれて、梨奈ちゃんがうんって頷いた。

「桑田もいいだろ?4人でグルチャ作ろうぜ。」

自然な流れで連絡先を交換できるようにしてる蓮をちょっと見直した。梨奈ちゃんもさっきまでずっと下を向いていたのに、顔を上げれるようになってよかったなと思う。

「桑田君と本郷はどうやって仲良くなったの?」

さっちゃんからの質問に確かにと思った。
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