懐恋。
翌朝。私はいつもより一時間早く起きて鏡とにらめっこ。昨日梨奈ちゃんから貰ったメイク道具で可愛くなろうと格闘中。アイライナーが濃くなっちゃったり、ビューラーで瞼が挟まっちゃったり、眉毛がうまく書けなくて何度も失敗したけど、梨奈ちゃんのメモは分かりやすくて、最終的には自分で誰!?と思うほどに上出来にお化粧が出来た。朝ごはんを食べる為にリビングに降りると、お母さんは可愛いわね。って言ってくれたけど、弟が

「何色気ついちゃってんの?やっぱり彼氏でも出来た?」

なんて言うからえい!って軽く足を蹴っといた。

「さっちゃん!おはよう!!」

「え?明音!?どうしたの?可愛い。」

びっくりした顔でさっちゃんが言うからくすくすと笑う。

「昨日梨奈ちゃんから貰ったメイク道具で化粧してみたけど、どうかな?変じゃない?」

不安になって聞いてみると

「可愛いよ。明音は元々可愛いけど更に可愛いくなった。てか明音の良さが引き出てるよ。」

なんてすっごい褒めてくれるから、恥ずかしくなって

「ありがとう。さっちゃん学校行こ?」

って言うのが精一杯だ。でも可愛いって褒められちゃった。嬉しいな。先生は気付いてくれるのかな?先生の為に頑張ったんだもん。気づいて欲しいな。って気持ちを抱いて学校に向かった。
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