懐恋。
ニカって笑いながら言う先生に胸がドキンって音を立てる。夕日に当たってる先生はなんだか色っぽく、それをカメラに収めようとカメラを構える。夕日を見ている先生も、カメラを覗いてる先生も、たまに校庭で部活している生徒を見ている先生も、色んな表情はどれも素敵で夢中でシャッターを押した。

「明音ちゃん熱心だね~」

「え、あ、すみません…」

夢中になりすぎていたところに先生の声が届いて我に返る。

「んーん。いい写真撮れた?」

「はい。撮れました。」

私にとってはどの先生もどれも素敵に見えるんだもん。

「じゃあ現像してみよっか。」

デジカメはどうやって現像するんだろ?と思っていたら先生に手を引かれて着いた先には

「じゃーん。パソコンとプリンター。」

目の前には部室に新しいものが増えていた。

「先生、これもご自分で買ったんですか?」

「お、プリンターは実家からもらって、パソコンは学校のだぞ。これで明音が撮ったやつは現像出来るから、ちょっとデジカメ貸してみ?」

はいって手渡して先生の作業を見ながらボーっとしているとガラガラと引き戸が鳴って

「明音、居る?」

って梨奈ちゃんがやって来た。

「あれ?梨奈ちゃん帰ったんじゃ…どうしたの?」
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