懐恋。
「明音ごめんね。せっかく先生との時間だったのに。」

まだ申し訳なさそうに謝る梨奈ちゃんに

「全然気にしないで?また明日も部活あるもん。それよりどうしたの?」

私は先生との部活よりも梨奈ちゃんの方が気になる。

「あのね?桑田君の事なんだけど…授業終わって帰ろうと帰り道歩いてたら、喫茶店で桑田君と女の子が2人で居てさ…前は彼女居ないって言ってたけど、できたのかなって気になりだしたら止まんなくて、それで学校に戻って来ちゃったの。」

梨奈ちゃんからのお話はビックリで衝撃的。そんなことがあったなんて思ってもみなかった。

「梨奈ちゃん辛かったね。誰なのかな?その女の子。もしかしたら友達かもしれないし、梨奈ちゃんの言うように彼女さんなのかも…」

梨奈ちゃんの気持ちを考えれば彼女じゃないって言いたいけど、でももしかしたら彼女さんなのかもしれないし、違うって言い切りたいのに言い切れないし…モヤモヤしちゃう。

「明音?私よりも困った顔しないでよ。おかしい顔してるよ?」

笑ってくる梨奈ちゃんは本当に笑ってるのか、無理してるのか…私だったら先生が他の女性と居るとジュクジュクとした感情になって、こうやって笑うことは無理なのかもしれない。気になって仕方がない。
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