懐恋。

パッと可愛い顔が更に可愛くなって

「本当に？その考えいいね！あ、でも私からは誘えないよ…」

「大丈夫！連も居るし、そこは私が誘うよ！」

こういうところしか力になれないけど、それでも力になりたくてそんなことを言うと梨奈ちゃんは本当にうれしそうに

「ありがう！」

って言って抱きしめられちゃった。

「明音は？今週先生と海デートだね！」

急に話を振られてビックリしていると

「デート？そっか、デートか。」

え？先生の声が聞こえると思って扉の方を向けばやっぱりそこには先生が立っていた。

「え、あ、先生何で！？」

「いつからそこに居たんですか？」

梨奈ちゃんとびっくりして質問攻めしちゃうと

「んー？安村が来週海デートっていうところから。忘れ物取りに来ただけだぞ。お、あった。」

ソファーの上にあった鍵を掴んで

「一条ちゃん海デート楽しみにしてるから。じゃあ。」

ってさっさと部室から出て行ってしまった。

「明音、ごめん！」

謝ってくる梨奈ちゃんに悪くないよって伝えながら

「でも本当にびっくりしたね！急に先生来たんだもん。」

まだバクバクと心臓が騒がしい。

「うん。今日1ビックリだったね！」

顔を見合わせてびっくりした顔から次第に２人の笑い声が夕日の中に響いていった。