懐恋。
朝早くて起きるときイラっとしたけど、明音とデートで起きたんだと思ったら早起きも悪くねーなって。やっと出かけれる日がきた。俺は誘った週末にでも行こうとしてたのに、なんかやんねーといけないことが重なったのと、進藤ちゃんに海行くっつたら

「部活だとしても2人きりで遠出はまずくねーか?」

って言うもんで進藤ちゃんとの予定合わせで遅くなっちまったじゃねーか。でも明音は可愛いな。海行けないって落ち込んでたり、安村がデートって言ったときの恥ずかしそうな顔。なんていろんな事を思いながらいつもはジャージだからちょっとでも俺という存在に気付いてほしくて、私腹を珍しくひっぱてきたり、ボサボサの頭もワックスでセットして、んで進藤ちゃんの車に乗り込んで明音ん家の近くにきたけど。明音の方もめかしこんできたわけで。いつもは制服だから私服ってだけでドキッとして。ピンクも白も明音にぴったり似合ってて。髪なんかも巻かれてて。化粧もしてあって。そんな明音はまたいつもと違って見えて…俺の存在に気付いてもらう前に、明音の存在に胸がドキッて鳴った。あー本当こいつはずりー。

「先生…先生!」

「え?あ、どーした?」

「あ…さっきからすごく視線を感じるんですが、どうかしましたか?」
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