懐恋。
皆始めはブーブー文句言ってたり、ダラダラしてたのにだんだん楽しくなってきたのか気付けば笑い声に代わってて、先生も一緒になってというか結構本気でドッヂボールに参加してて、先生が作ったこの空気は素晴らしいんだけど、本気で参加してる先生は大人げない。

「明音!危ない!」

「へ!?…った!」

ボーッとしてたせいでさっちゃんの言葉も虚しく、見事なまでに顔面でボールをキャッチしあまりの衝撃でその場に倒れ込んでしまった。

「おい、大丈夫か?一条さん。うおっ!鼻血が出ちまったか。とりあえず保健室行くべ。よいしょ。」

え。待って。待って!今どんな状況!?先生の事見ててボーッとしてたら、さっちゃんに危ないって教えてもらったことも束の間、ドーンって衝撃がきて勢いのままその場に倒れ込んで、そしたら皆が駆け寄ってきてその中に先生も居て、あっ先生が近い!ってのとボールの衝撃で鼻血が出てきて慌てて手で鼻を抑えたら、なんか体が宙に浮かんで気付けば体がユラユラ揺れてて…ってえっ!?待って!

「待ってください。先生!!」

「んあ?暴れるなよ。落っこちるぞ?」

そう。気付けば私は先生にお姫様抱っこされてて、ジタバタ騒いだら先生が見下ろしてくるから先生とバッチリ目が合っちゃうし、とゆーか先生の腕が私の体に触れてるし、先生の吐息がさっきから頭皮に感じるし、先生の体温も感じるし!?!?!?
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