懐恋。
「んーっと、中間テストの範囲決まったから配るぞー。」

あ、今日も先生は眠そうな顔して可愛いなって。でもやっぱかっこいいなってそんなことを思っていたら衝撃の言葉が私の耳に届いた。え…ええ!?さっき梨奈ちゃんと出かけるの楽しみにしたばっかなのに、もうそんな季節になりましたか。

ホームルームが終わって気落ちしてたところに

「あんた先生ばっかじゃなくてテスト勉強しなさいね。」

なんてもっともな言葉がさっちゃんから告げられた。

「もうどーしよ…忘れてたもん…」

すっかり頭から抜けていたもん。

「忘れてたなんて学生の本業は恋じゃなくて勉強でしょーが。」

さっちゃんが言ってることがごもっともすぎて何も言えない…。

「まあまあ。明音一緒に勉強しよ?週末付き合ってもらうしさ。先生にも教えてもらったら?」

女神のように見えるんじゃなくて、もう梨奈ちゃんは私にとっての女神さまになった。

「ありがとう。うん、梨奈ちゃんのおかげで頑張れそう!あ、そうだ。週末どこ行く?」

テストは何とかなりそうなので一旦置いとこう。

「本当げんきんな子だね。まあ勉強は一緒にしよっか。」

うん。この2人がいるならテストはなんとかなりそうだもん。

「ありがとう。さっちゃんは頭いいの知ってるけど、梨奈ちゃんも居るなら大丈夫だね!」
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