懐恋。
「桑田君おはよう。妹さん大丈夫だった?」

梨奈ちゃんは桑田君の格好を見てほんのり頬を赤らめてる。緊張しちゃって上手くお話が出来ないみたい。

「妹のこと知ってるの?」

ビックリした顔で言う桑田君に

「俺が話した。あれ?妹のせいで遅れたんじゃねーの?」

「なるほど。一条さん、安村さん本当にごめんな。蓮の言う通り家出る前に妹に捕まっちゃって。妹と歳離れててさ、すぐに出てこれなかった…。」

「大丈夫だよ。ね、梨奈ちゃん?」

コクって頷くだけで上手く言葉を発せれないみたい。なんか分かるな。私も慣れるまで先生と上手くお話出来なかったもん。

「よし、じゃあ行こうぜ?」

最寄り駅からはバスに揺られて20分で遊園地に着く。バスは座席が2人乗り用でどうやって座ろうかなと思ったら、梨奈ちゃんに手を引かれて隣同士に座る事になった。

「梨奈ちゃん、隣じゃなくていいの?」

前に座っている2人に聞こえないように小声で聞くと、

「いいの。ごめんね?全然上手く出来なくて…なんか顔見ちゃうと緊張しちゃって。」

またほんのりと頬が赤くなって、すっごく可愛い!

「大丈夫!私も始め先生と上手く話せなかったもん。緊張しちゃうよね?見られてドキドキしちゃうし。」

んふふ、って2人で笑い合って頑張ろ!って意気込んだ。
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