課長の胃袋をつかみました
思ってもみなかった提案に最初はそんな必要はないと及び腰であったけれど…

自分でもよくわからない、変わってしまったこの感情も先輩と2人きりでご飯に行けば何かわかるかも。
そう思い、私はではお言葉に甘えて。と返事していた。

その日はしっかりと計画的に仕事を終わらせて、定時退社。
塚田先輩は外回りからの直帰ルートだったので会社外で待ち合わせた。

先輩が連れてきてくれたのはお洒落なスペインバルだった。

「ここのパエリアが本当に美味しいんだよ。」

先輩は嬉しそうにパエリアと、それ以外にもスペイン風オムレツなど様々な料理を注文した。

「先輩って食べることが好きなんですね。」

「もちろん。こういう風にいろんなレストランを回って好きなお店を見つけるのとか好きなんだ。
俺結構食通なんだよ。」

先輩はキラースマイルを浮かべながら楽しそうに話す。

「食通な先輩に満足していただけるようなお弁当でしたかね。」

「大満足。食通の俺が保証するんだから自信を持ちなさい。」

そんな他愛のない会話を楽しみながら、スペイン料理を堪能した。

先輩と話すのは楽しいし、やっぱりかっこいいと思う。
だけどあくまでも憧れの先輩というわけであって恋愛対象ではない。
私が課長に対して抱いてる感情とは違う。

私は先輩といながら、課長が好きなのではないかという結論に至ってしまっていた。
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