課長の胃袋をつかみました

その言葉に私の胸は高鳴った。

「俺は、お前が、茅野のことが好きだ。
お前は塚田のことが好きかもしれないが、絶対に幸せにするから、俺と結婚してくれ。」

課長は恥ずかしそうに、だけど真剣に私のことを見つめながらそう言って、私はそんな課長から目をそらせなかった。

「わ、私も課長が好きです。
お弁当だって、本当は課長のために作ってきてたんです。」

「いや、でも、お前毎日のように塚田と昼飯食ってただろう。」

課長は驚いたように目を見開き、少し嬉しそうな顔をして、だけどまだ疑っているようだ。

「本当に課長のためにお弁当を作ってたんです。だけど、課長は出張とかなんやかんやで今週はずっと忙しそうだったから。
頼んでもいないお弁当を渡すのも迷惑かなと思いまして………。」

私はうつむきながら答えた。

「な、迷惑なわけないだろ。俺はもうお前に胃袋つかまれてるんだから。
でも、なんでそれを塚田が？」

「きっかけは月曜日に、課長は出張でいなかったからお弁当を処分しようとしていたら先輩に見つかって、捨てるならちょうだいよってか言われことで。
結局今後も作ってくるなら、もし渡せなかった時は先輩が食べると言う約束になって……。」