あの日その日この日全部が重なってとても綺麗な花になる
ルアンカという少女
昔々ルアンカという小さな小さな少女がいました。
ルアンカは、ごく普通の民族でした。
でも、見た目は、他の民族より少し変わっていました。
薄紫色の目に、真っ白な肌、つやがある黒い綺麗な髪。
その姿は、美しいとしか、言い様がないほどのものでした。
ルアンカは、とても明るい女の子でした。
思いやりがあり、笑顔がとても似合う子。
もちろん、友達も、たくさんいましたよ。
さぁ、ルアンカの説明は、ここまでにして、ルアンカの物語を始めましょう。
チュンチュン
「アハハ、ハハハ。」
野原、木、花、空。
全てが美しい。
私の物語は、全て神様が作ってくれたもの。
子供の時は、そう、思っていた。
「ルアンカ~!」
スカイ。
私の親友だ。
スカイは、とても優しいし、一緒にいて楽しい。
「どうしたの?スカイ。」
無邪気に走っていた私は、スカイの声でピタリと動きを止めた。
「ルアンカの母さんがルアンカの事呼んでるよ!」
息切れでちょっと苦しそうなスカイ。
お母さんの所に行くよりにスカイの事が心配で、スカイに問いかけた。
「スカイ。大丈夫?」
スカイは、息を整えてから
「うん。大丈夫だよ!」
スカイは、優しい声で私に言った。
「ルアンカー。」
「あ!母さんだ!かーあーさーん!」
スカイは、ため息をついて言った。
「あ~あ。ルアンカの母さん、心配で来ちゃったんだね。怪我しているのに...。」
私のお母さんは、転んで足に怪我していたのだ。
それで、スカイに私を呼んできて、と頼んだのだ。
それを知らなかった私は、
「え!?そうなの?」
と、大慌てで走って母さんの所に行った。
「母さん、大丈夫?」
私は、母さんに抱きついて心配そうに聞いた。
「ルアンカ。此処に居たのね。探したのよ。スカイに頼んだけど心配で...、あ!スカイありがとうね。」
スカイは、やっと私に追い付いてまた、ゼェゼェ息切れしていた。
そして、また息を整えて
「ごめんね。ルアンカの母さん。足怪我しているのに...早くルアンカを連れて行けなくて。」
私の母さんは、それを聞いて大笑い。
「スカイは、とってもしっかり者だね。お利口さんだ。よし、今日は、スカイも一緒にご飯を食べよ。」
スカイは、お父さんと二人暮らしをしている。
スカイの母さんは、スカイが生まれた時死んでしまった。
だから、スカイは、私の母さんに時々甘えてくる。
その時は、とても幸せそうだ。
きっと想像しているんだろう自分の母親の事を。
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