姫、私は誓います。
あれから何も食べていないからだろう。心なしか呼吸も少し上がった気がする。私はそこまで気にはならないけれど、他の人はそういかないみたいだった。

「ここ」

勝手に扉を開けて入っていく私の後に続くジンルークさんは、何か出てくるのではないかと警戒していた。でも、ここは空き家。ランバートは神父さんがいると言っていたけれど、エルフであるジンルークさんには見えない。ランバートと同じ、霊体の神父さんだから見えるはずがない。

「いらっしゃい。ランの知り合いだね?」

「よろしくお願いします」

「上の部屋、使ってくださいな」

「ありがとうございます。上だって」

ジンルークさんの色が驚いた時の色へと変化した。見えないから分からないんだ。
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