姫、私は誓います。
ラークペイといれば、姫はきっと幸せになれる。でも、それは俺の根拠の無い自信から来るものだ。もしラークペイが思い上がって姫に変な事をすれば幸せになんてなれるはずがない。大好きな笑顔が消えてしまう。だから、一線を越えるな。傷付けた時は容赦しない。そう言う忠告を必ずしていた。ラークペイに限って無いとは思うが、あってからでは遅い。俺の見た手違いだったという事だって充分有り得るんだ。念には念をと言うわけさ。

「二人にして良かったのですか?」

10年くらい付き合ってきた俺たちだから分かり合う事であって、他の兵士もラークペイに絶対的信頼を置いているかと言われるとそうではない。事実、今だってこの中じゃ一番新しいランバートが二人きりにする事を不安がって聞いてきている。俺がランバートと同じ立場にいてもそう思うだろう。大切な姫が先輩と言えど男性と二人きりの密室に取り残されているのだから、気が気では無いはずだ。俺だったら残りたいと駄々をこねるだろう。
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