姫、私は誓います。
「大丈夫。あいつなら大丈夫だ」

根拠なんて無いから理由は説明できないが、俺は自分に言い聞かせるようにランバートへそう告げた。正直、俺だって姫を愛している。だから、嫉妬や不安が無いわけではない。でも、ラークペイは俺の友人だ。応援したいという気持ちだってあった。

「そんな信頼出来るのかね~。確かに剣の腕は素晴らしいけど感情のままに生きている所もあるし」

確かにラークペイにはそういう所がある。剣の腕は敵軍が怯んで動けなくなるほど凄い。でも、あの気迫は感情が高ぶっている時だけで普段は虫でも嘲笑うくらいひ弱だ。

「だからだよ。あいつは感情任せで惚れた女に手を出せるほど胆座ってない」

そんな彼だからこそ、惚れた女を泣かせるような事が出来ないんだ。
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