姫、私は誓います。
「惚れた女に手を出せるほど・・・ですか。でもルーク、それはラークだけではなくあなたもですよね?」

「お前もだろ」

ケイロビン、ロンマニー、クラウド、ランバート、俺とあいつ。男であろうと女であろうと関係無い。姫は俺たちを惚れさせた。その事実だけが俺たちを苦しめ、生かせているんだと思う。
元々、兵士なんて表向きは格好良い職業だ。でも、なってみれば分かる。月に何千もの人々の命を奪い、数百もの仲間が命を奪われる。そんな命のゲームのような事が目の前で続けて起きたとしよう。耐えられるのなんてごく僅かな人々だ。普通なら耐えきれなくなって自ら命を落とすか兵士を辞めていく。その中で彼女は希望の光なんだ。そんな辛く過酷な世界の中で唯一気を許し、見詰めていられるのは希望の光である彼女だけだった。
恋をすれば相手と一緒にいたくなる。一緒にいるためにはまず生きていなくてはならない。守る気力が沸いてくるんだ。
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