【完】好きなんだけど、責任とってよ


「逆に莉子に感謝して欲しいけどな」


またも盛大なため息と共に背中だけで語る呆れてる感



「逆にって奈津に感謝しなきゃいけない事なんてあるっけ?」

奈津には申し訳ないが、悲しい悲しい可哀想な私には奈津に感謝するようなことをされたことが無い。



ほんと、可哀想な子だ。


「あるだろ」


奈津の背中をガン見してまで考えていたのにいきなり振り向いた奈津がかなりのガンを飛ばして睨んできた。



「睨まれる意味が…ワカンナイ」


その目で何人殺してきたんだよ、と言いたいところだ。



「妖怪とも怪獣とも思えるような奴にストーカーされて挙句の果てに家にまで侵入されてる」


「…」



「感謝するよな?」



「はい…ありがとうございます。…ってなんか酷くない??」




「誰がだ?」



さも、何を言っているんだお前の頭は正常か?いや、異常だろうなみたいな目で見ないで…





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