【完】好きなんだけど、責任とってよ

「ポジティブだよな、お前」


どこか、遠いその背中は少し羨ましがるようにそう吐き捨てた。



「和馬が言ってたじゃん？奈津は中学の頃酷かったって私は許してくれてる訳だし？ちょっとは期待させてくれてもいいじゃん？」




「ソイツの名前イライラするから出すな」


「ごめん、そりゃ怒るよね。幼なじみのイザコザにさ巻き込まれて。」


申し訳なくて、奈津の背中から床に視線を落としたけど



「そうじゃねぇ…」


小さい声で奈津がそんなことを言うから「え？」と驚いた私は奈津の背中にまた目を向ける。



「いや…あれだ、こっちの問題だから…気にするな」


ほんとに言いにくそうにそう言う奈津に私は瞬きを繰り返した。


それに、言いにくそうというのは別に恥ずかしがってるように見えるのは気のせいかな。