【完】好きなんだけど、責任とってよ
菜津の部屋を出て階段を降りるとキッチンで未来のお母さんが鼻歌を歌いながら料理をしていた。
なんて、素敵な可愛らしいお母さんなんだ。
「手伝いますよ」
私は笑顔を浮かべて奈津のお母さんの元に駆け寄った。
奈津のお母さんは私の声に手を止めてビックリしたようにこちらを見る。
「いいのよ〜若いんだからイチャイチャしてなさいよ」
なんて、本気なのか冗談なのか分からないことを言ってる。
「奈津、寝るみたいなんで暇なんです。」
「可愛い彼女をほっといて寝るなんてね」
と奈津のお母さんは苦笑い
「彼女じゃないんです。私の片想いで…こんなこと言ったら困らせちゃいますね」
思わず本当のことを言ってしまった私に奈津のお母さんは笑みを浮かべた。
「奈津がね、女の子を連れてきたのは初めてなの。口下手で何を考えてるのか分からないけど莉子ちゃんのこと好きなんじゃないかしら。」