【完】好きなんだけど、責任とってよ
「案外あっさりだったな」


「私には興味無いからね」



両親にとって大事なのはお互いと仕事が最優先だから。


「莉子の気持ちもわからなくないが、壁を作ったのは莉子じゃねえの?怖くなって先に逃げたのは莉子だと俺は思うぜ」


「司はやっぱなんでもお見通しだね」


「当たり前だろ?」


ニヤッと笑う司に多少イラッとしたが、司が言うように怖くて両親からも幼なじみからも逃げたのは私だ。


ひとりぼっちでいる大きな家に寂しさと悲しさいつか本当にひとりになるんじゃないかと怖くて怖くてたまらなかった。



だからそうなる前に自分から逃げたんだ。


「結局私が弱かっただけなんだよね、司を信じるように他の人も信じれたら良かったのかもしれない。」


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