【完】好きなんだけど、責任とってよ
「奈津だってわからないでしょ?私の気持ち奈津は分からないでしょ?私はずっと奈津だけな自信あるよ?他の誰かによそ見するのは奈津かもしれないじゃない?」


「俺は...」


「私だって不安だよ。だから言いたいことがあるならなんでも言って欲しい。離れられたら...」



今回みたいに無理矢理な方法になっちゃうからって笑おうとしたのにいきなり立ち上がった奈津に抱きしめられて思考は停止してしまった。


「莉子」


「ナンデショウカ」


「女なんてってずっと思ってた。いや、今も思ってる。」


出ていってしまった書類上のお母さんを思い出すのだろう。


「うん」


「莉子のことも最初はそう思ってた。」


「知ってるよ。」


何度振られたことか...


「でも、気づいたら好きになってた。どうしようもないくらい好きになってた。」


「うんっ」


あの時気づいてしまっていたけど初めて好きだと言われて涙が溢れてしまう。


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