【完】好きなんだけど、責任とってよ
「奈津」
「ん?」
私が呼ぶと奈津が優しく返事をしてくれる。
「好きです。私と「待て」」
順番はグチャグチャだけど改めてもう一度告白しておきたいのにそれを遮る奈津は私から離れて苦笑いだ。
「莉子が突っ走るから俺すげえだせえ奴じゃねえか。大事なところくらい俺に言わせろ。」
「あ、ごめん...」
納得だ。今回は自分でも暴走しすぎたとは思う。やっぱ私って妖怪とか化け物なのかな?
「ボーッとしてないで一回しか言わねえぞ。耳の穴かっぽじって聞けよ?」
「ちょい待ち!...どうぞ!」
向かい合う私たちの間は無音だけど私の心臓の音が耳元で聞こえる気がする。
「莉子、どんなときも俺とずっと一緒にいてくれるか?」
「うんっ」
どうしよう、視界がぼやけちゃう。
「莉子のことすげえ好き。俺と付き合って?」
目を逸らさないその目から逸らせない私は全力で応えよう。
「うんっ私も好き」
視界がぼやける中で奈津が私の涙を親指の腹で拭いながら出会った中で一番笑っているのが見えた。