背中
昨日
昨日は久しぶりの映画で、まるで独身時代に戻った気分のまま今朝は余韻に浸っていた。
何かあったわけではないけれども、男性的な冬コートにほんの少し、胸の奥底の消えたと思っていた赤い炎が燃え上がった気がして、くすぐったいような甘いような、チョコレートの香りのするグロスをつけた時のようなメイク前の鏡に向かう自分をそこに見つけた気がして、ふわりとした安心感と高揚感を覚えたのが昨日だったのは本当の出来事だったのかと疑ってしまう自分がいる。
そんなことをうっかり考え過ぎて用意する時間がいつもより遅くなっていた。
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