街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
つーことで、今日のHRは修学旅行計画。
俺と智樹、心優と、物静かな青木。
この4人の班だけど、盛り上がってるのは智樹だけ。
計画は好きなんだけど
好きなんだけどさ、、
「いやー、でもここも譲れねーんたよ!」
「勝手にしてくれ。」
智樹がめっちゃうるさくて勝手にこっちの意見を言ってるから、俺らも言うことがなくなる。
「智樹、優先順位はつけないと決まらないよ?」
「そうなんだけど!
ってか自由時間少な過ぎだよなー、本当。」
「そうだな」
「大翔はさ、どこ行きたいわけ!?」
「どこでも。
たださ、定番系行っても結局南高のやつらだらけな気しねぇ?
たぶん他の学校だっているだろうし。
ならさ、穴場みたいなとこ調べて、人がいないところに行きたくね?」
「あー!それいい!
で、どこ?」
「だからそれを調べるんだろ。」
「……っていうかさ、あと1週間しかないのに今からそれ言う?
大翔も智樹もさ、間に合わないでしょ。」
「だから急がねーと。
なんにも決まってねーんだから。俺らの班だけ。」
なんなんだ、この班は。
真面目な女が二人もいんのに、この班が一番決まってない。
「古宇利大橋とかは?
定番だけど、修学旅行の自由時間に行く人はいなさそうだし、1日あれば十分可能だし。」
「こ、うり?なにそれ。」
「古宇利島に続く橋。
いい景色だし、島にも行けるしね。」
「へー、じゃあ候補に…「じゃあそこ。決定。」
「えぇ!?そんな簡単に!?」
「もう時間ねーしな。」
ほら、青木なんてもうしおりに書き込んでる。
もう決定だ、決定。
智樹に任せてたらなにも決められない。